裡の力を自覚し、発揮しよう(野口晴哉)

 「病気自体は体の中の自然の働きで、体に悪い物があるから下痢
 を するのです」

 これは野口晴哉の言葉であるが、ここにある「自然」を、どういう文脈
で捉えるのか、「おのずから動く」なのか、「人間の手にかかっていない
働き」なのか、それともか「もともとある働きで、正なるもの」なのか、ど
れなんだろうか。

 野口晴哉の云う「道」「心」「気」「潜在意識」などなど、わたしたちは
わたしたちの文脈で野口晴哉の行動と言葉を理解していないだろうか、
「裡(うち)の動き」も不思議な言葉だ。

 講演がテープに録音されていて、それが講演録として「月刊全生」に
連載されている、それが文脈を捉える手掛かりである。

 『昔の潜在意識教育では、「現在意識は海面に出ている氷山の頭
  のようなもので、その何倍かの心の塊が水面下に隠れている。
  氷山に実体こそ人間の潜在意識というべき」というように話してい
  ましたけれども、「気」のことを感じてからは、潜在意識は海の水
  そのものだ。潜在意識の中に固まった観念や感情があれば、そ
  れは氷山に塊りであろうけれども、至る所に流動させて自分と相
  手を区分しない海水の働きこそ気ではないかと感じるようになりま
  した。すると我然、世の中が広くなって、誰とでも話ができるように
  なりました。』
  (「心の問題」昭和48年1月潜在意識教育法講座 
   「月刊全生」昭和61年1月~昭和62年6月号)

 「現在意識は海面に出ている氷山の頭のようなもので、その何倍かの
心の塊が水面下に隠れている。氷山に実体こそ人間の潜在意識という
べき」の箇所は、フロイトの云うところの「潜在意識」の文脈だ、それが
「潜在意識は海の水そのものだ」の文脈になる、これで「自然」「道」「気」
「潜在意識」「裡の動き」のつながりが見えてくる。

 野口晴哉の云うところの「自然」とは、森羅万象を作り出すものであっ
て、始まりもなければ終わりもない正なるもの、これが「自然」のこと、
この自然が「道」、つまり「本来のもの」を作り出すのである、これにつ
いては『老子』に「人は地に法り、地は天に法り、天は道に法り、道は
自然に法る」とある。

 つまり「裡の動き」とは「自然の動き」のことで、野口晴哉は「自然」を
「潜在意識」や「宇宙意志」とも語っている、「気」はその潜在意識の働き
でなんだ、それで講演のタイトルは『心の問題』で、この文脈での「心」は
夏目漱石の「心」とは大きく違い、潜在意識の一部である、わたしやあな
たの主宰者のことなんだ。

 最初の文脈にもどって、わたしたちは大陸の端っこで、自然を「おのず
から」で、ところが大陸では「もともとある働きで、正なるもの」で使って
いるが、ヨーロッパでは「人間の手にかかっていない働き」で、現代のわ
たしたちも、この文脈だよね。

 最後に「観察」はどう云う文脈かなぁ、科学で、それとも仏教で?


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以上

この記事へのコメント

海亀
2016年04月13日 23:18
裡 の話ですね。
まだよく理解できていませんが
ここが晴哉のエッセンスなんでしょうね。

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